Twelve Heroes/トゥエルブヒーローズ【ボードゲームレビュー】
Twelve Heroesのボードゲームレビューです。スリーブ、カードサイズも掲載。友人と5時間ぶっ通しで遊び、それから一人で悶々と考え、得られた成果をここに記します。
どんなゲーム?
ゲーム情報 | |
---|---|
プレイ人数 | 2人 |
プレイ時間 | 20分 |
対象年齢 | 12歳~ |
カード総数(サイズ) | 44枚 (MtGサイズ) |
全18種類のユニットから、12枚を選んでデッキを作成。
食糧(ユニットの召喚/維持コスト)を管理しながら、
場の中央に置かれた勝利点カードを競り合うゲーム。
ちなみにこのレビューを最後まで読むと、
Twelve Heroesを遊ぶ意味が損なわれる可能性があります。
ご注意ください。
セット内容
・土地カード(3種、計6枚)
これらの土地を競り合い、7勝利点を達成したプレイヤーが勝利。
・ユニットカード(18種、計36枚)
土地カードを巡る攻防の主役。
アートワークがすごい。
各2枚ずつの封入なので、自由にデッキを組むには複数の購入が必要。
(筆者は代用カードで遊びました。そのためのスリーブ。)
・その他、トークンやサマリーカードなど
ゲームの流れ
場の中央に置かれた3枚の土地カードを奪い合う。
シャッフルして2枚ずつ重ねるため、どこに何点のカードが置かれるかはランダム。
互いのプレイヤーはこんな感じで、土地カードの手前にユニットを送る。
ターン開始時に“支配チェック”を行い、ユニットの兵力の合計が相手に勝っている土地があれば、そこに自分の支配カウンターを乗せる。カウンターがもう置けない場合、その土地を獲得。
その後ユニットの数だけ土地に置かれた食料が消費され、支払うことができなくなるとユニットは破棄される。
食料をやり繰りしつつ相手よりも大きい兵力を維持。
支配を進め、7勝利点の獲得を目指す。
ルールの詳細はこちら
▶公式サイト掲載のルールブック
実際に遊んでみた
①ルール記載の初期デッキで対戦
食料管理が非常に悩ましいゲームだと感じました。
支配チェックに失敗してもユニットは食料を消費していくため、とにかくカッツカツ。
無限に食料を生み出す“ツリーフォーク”を活用した筆者の勝利。
兵力4。派遣/移動のたびに食料を生成。OP。
②18枚→12枚での構築戦
友人の“ゴーレム”に勝てるカードがデッキになく、
場を一方的に支配されて敗北。
食料を等しく消費する以上、
単体で数値の高いカードが強いことがわかる。
謎カードに“ツリーフォーク”が蹂躙され、サイズの正義を思い知る。
これを無視していたため、一度付いた差が縮まらなかった。
③制限なしの構築戦
筆者は“飛行船”と“農夫”でデッキを埋め尽くし、兵力不足に悩む。
シナジーがあるように見えるけど、何も強くない組み合わせ。
一方で友人は“ツリーフォーク”を展開して場を制圧。
勝敗が決したかに思えたが、こちらの“ドラゴン”が油断した友人の“ツリーフォーク”を一掃。
友人「うわー!入ってるんかー!」「“補給兵”を使っていれば……油断した」
……と、そんなこんなでいろいろと試していったのですが。
浮かび上がった問題点
①相手のデッキを全く予測できない
デッキ構築に制限が一切ないため、相手のデッキ内容を予測することができません。
相手の出方が読めず、構築は暗中模索になります。
デッキを組むことができるのに、
「相手はこういうカードを使ってくるから、これで対策しよう」
みたいな駆け引きが存在しません。
②大型ユニットが優遇されすぎている
毎ターン、ユニットの数だけ土地の食糧が消費されます。
つまり単体で戦力が高いカードが優秀(上記の場合、“ベヒモス”は食料1で維持できる)。
手札を増やす手段が毎ターンの1ドロー以外に存在しないため、餓死前提で小型をバラ撒く戦略をとるのも難しいです。
③一部カードのバランスがおかしい
無限アドバンテージ製造機
通常、前線に食料を供給するにはAPと手札1枚を消費する。
APのみでそれを行うこのカードは、毎ターン手札3枚分のアドを生む。
それだけでも十分ヤバいのに、
このゲームに能動的な除去が存在しないことが暴走に拍車をかける。
こいつのせいで兵力4以下のカードはほとんど人権がない。
最高級の兵力+唯一の除去能力
なぜかゲーム中で2番目に大きい兵力と、
ゲーム内で最強の除去効果が抱き合わせになっている。
大型を牽制するカードそのものが大型。
「相手が“ベヒモス”を使ってくるから、“ベヒモス”で対策しよう」
……メタが成立してねぇぞ増田ァ!
→ユニットを投げ捨てるプレイングに弱いので、
それほど壊れてはいないっぽいです(6/7追記)。
総評:★★✫✫✫
神ゲーのように見えるけど(5/31)
Twelve Heroesは一見すると、すごく楽しそうなおもちゃ箱です。
初めて遊んだときにはビジュアルも相まって非常にワクワクしました。
この美麗なカードでもって、一体どんなデッキを組めるんだろうと。
ただ、5時間に渡る格闘とそれに続く考察の結果、
“ベヒモス ”と“ツリーフォーク” が強すぎる上、対策がおそらく不可能だと結論が出ました。
18種類のカードがあるのに、ほぼ2種類しか使えない。
互いに“ベヒモス ”を投げ合い、“ツリーフォーク” が反復横跳びを繰り返す。
デッキ構築の果てに私がたどり着いたのは、そんな殺伐とした環境でした。
こんなにも、端正な見た目をしているのに。
こんなにも、深みがありそうなのに。
ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。このゲーム……
試行錯誤は楽しかった(6/5)
結論にたどり着くまでの試行錯誤は楽しかったです。
たった2枚のカードが、全てを台無しにしてしまう。
ゲームの儚さを教えてくれた、最高の反面教師でした。
いずれ上記2枚を使わないか、デッキ構築に制限を設けるか、なんかいろいろ工夫して遊んでみようと思います。
あるいは神ゲーなのかも(6/7)
筆者と友人が下手くそだっただけで、
上手い同士で遊べばまた違って見えるのかもしれません。
楽しんでる方のレビューを見ると、そんな気もしてきます。
参考にしたところ、確かに“ベヒモス”はそれほど絶対的でもないとわかりました。
ただし“ツリフォ”、やっぱりてめーはダメだ。
ちなみに同系統でオススメのゲームはこちら
▶桜降る代に決闘を【ボドゲレビュー】
i was gameさんの関わったゲームが面白くないことはまずないと思うのですが(盲信)、評価は遊び次第ですね。
現状ひとつ間違いないのは、ルールブックが非常にわかりやすいこと。そして12枚のデッキを組む上で同種カードの投入に制限がなく、しかし各種2枚ずつしか入っていないため、1ダース買わないと完全な状態で遊べないこと……。
さすがにその出費は厳しいので、代用カードで遊ぶ予定です。(5/31)
クソゲーかと思ったけど、土地の初期配置についてルールミスがありました(ランダムに2枚ずつ配るところを、2-3-4と固定で置いていた)。そのため必ずしも大型を並べるのが有利とは限らず、もしかしたら雑なバランスじゃないのかもしれません。(6/2)
→(一人で色々試してみて)やっぱりダメだぁ(6/3)
→(Twitterの高評価をみて)いけるのかなぁ……?(6/7)
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